転移と再発

転移1, 2)

がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って別の臓器に移動し、そこで増殖することを転移といいます。治療を開始した時点ですでに別の臓器に転移しており、時間がたってから見つかるケースもあります。子宮頸がんが転移しやすいのは、腟や膀胱、尿管、直腸といった骨盤の周りの臓器、リンパ節などです。

再発1, 2)

治療により目に見える大きさのがんがなくなった後、再びがんが出現することを再発といいます。骨盤内に起こる再発は「局所再発」、肺や肝臓など子宮頸部から離れた臓器での再発は「遠隔転移再発」と呼びます。それぞれ治療法も異なります。

子宮頸がんで転移・再発が起こりやすい場所

再発の治療1, 2)

①骨盤の中に再発したときの治療

骨盤の中で再発が起きた場合は、過去に放射線治療を行っていない場合は、放射線治療あるいは同時化学放射線療法が行われます。過去に放射線治療を行っている場合は、緩和ケアや症状の緩和を目的とした化学療法を行います。その他、子宮、腟とともに下部結腸、直腸、膀胱を切除する骨盤除臓術(骨盤内臓器全摘出術)や子宮全摘出術などの手術療法あるいは放射線治療が行われることもあります。

②骨盤の外に再発したときの治療

遠隔転移が見つかれば、基本的には化学療法によって治療します。多臓器に及ぶ再発、多発性の転移には化学療法を行います。ただし、病巣が1ヵ所にとどまっていれば手術や放射線治療を選ぶこともあります。

  1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 治療ガイドライン第2版. 金原出版, p67-71, 2016.
  2. 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター 編集・発行. がんの冊子 各種がんシリーズ 子宮頸がん 第3版. p13, 2014.

緩和ケア3, 4)

がんの治療中は痛みや吐き気、食欲低下、息苦しさ、だるさといった体の不調、さらに気分の落ち込みなど心の問題にも直面します。そばにいる家族もまた心配や悲しみ、生活不安などを抱える場合があります。緩和ケアでは、患者さんとその家族が自分らしく生活できるよう、医療的な面からだけでなく心理社会的な面からも支え、QOL(生活の質)を改善します。さらに、スピリチュアルな苦痛(生の意味やよりどころを喪失する苦しみなど)についてもケアするアプローチを行います。がんが進行してからだけでなく、早い時期から緩和ケアを利用することで、治療における身体的・精神的なつらさを和らげ、QOLを改善していきましょう。詳しくは主治医や看護師、病院の地域医療連携室などに相談するとよいでしょう。

  1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 治療ガイドライン第2版. 金原出版, p67-71, 2016.
  2. 日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 治療ガイドライン第2版. 金原出版, p233-235, 2016.