子宮体がんの治療


薬物療法

化学療法(抗がん剤による治療)1)

子宮体がんでは、術後、中・高リスク群と診断された場合は、追加治療(補助療法)が必要となります。追加治療としては、化学療法(抗がん剤治療)が主に行われます。これは、再発を抑えるために行うもので、手術でも摘出できなかったような目に見えないがんをやっつけるために行います。
また、がんが広がっていて、手術ができないような場合や再発した場合にも化学療法を行うことがあります。代表的な薬はカルボプラチン、シスプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセルなどです。いくつかを組み合わせて用いることが多いようです。主な副作用は嘔吐、脱毛、神経症状などで、白血球が減少し、感染抵抗力が落ちることもあります。多くは一時的なもので、治療を終えると治療前の状態に戻る方が多いですが、神経症状などは長期間残る場合があります。

薬剤の種類や投与回数は状況によって違いがあり、また、副作用の現れ方には個人差がありますので、主治医や看護師、薬剤師に相談してください。

  1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 子宮体がん治療ガイドライン2018年版. 金原出版, p50-51, 2018.

免疫療法(抗がん剤による治療)

化学療法を行っても効果がなかった方で、ある特徴を持った子宮体がんの場合には(高頻度マイクロサテライト不安定性を有する場合)、免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)が効果があることがあります。

免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法は、T細胞にブレーキをかける過程でチェックポイントとなるPD-1経路にピンポイントで働きかけて、T細胞のブレーキを解除し、免疫を再び活発にする治療法です。 免疫チェックポイント阻害薬そのものは、直接がん細胞を攻撃することはありませんが、免疫を高めることでがん細胞を間接的に減らします。

黄体ホルモン療法2, 3)

黄体ホルモン療法は、大量の黄体ホルモンを投与することにより、がん細胞を正常細胞に分化誘導する治療法です。一般に用いられるのはメドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)という内服薬です。おもな副作用に血栓症があり、過去に血栓症になったことがある人、肥満の人、ほかのホルモン剤を服用している人などは、黄体ホルモン療法を行うことができない場合があります。

黄体ホルモン療法(MPA療法)は、妊孕性(にんようせい:妊娠できる機能)を温存する治療法で、妊娠を強く希望する若い(40歳未満)患者さんにおいて、治療の選択肢の1つとなります。
具体的に対象となるのは、がん化することの多い子宮内膜異型増殖症(しきゅうないまくいけいぞうしょくしょう)の患者さん、もしくはごく早期の子宮体がんで子宮を摘出したくない若い患者さんです。

黄体ホルモン療法は、患者さんの状態がよくなく、化学療法ができないときも効果が期待できる場合があります。

  1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 子宮体がん治療ガイドライン2018年版. 金原出版, p166-180, 2018.
  2. 日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 治療ガイドライン第2版. 金原出版, p110-111, 2016.