肺がんの治療


再発・転移

●再発した場合

再発とは、治療により一度消失したかのように見えたがんが、また出現してきたり、他の部位に新しく転移が認められた場合を言います。

再発した場合の治療法は、がんの存在する場所や今までの治療内容、それぞれの患者さんの状況によって異なります。再発した際には、全身に目に見えないがんの微小な転移が生じていることが多いため、一般的には全身治療である薬物療法が選択されます。

●転移しやすい場所と症状 7)

肺がんが転移しやすい場所は、肺の別の部位や縦隔・肺門のリンパ節、鎖骨上のリンパ節、骨、脳、肝臓、副腎などです。

特定非営利活動法人 西日本がん研究機構(WJOG)「患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A」(金原出版)、p30

7)特定非営利活動法人 西日本がん研究機構(WJOG)「患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A」(金原出版)、p133

転移した場所のがん病巣が小さな段階では無症状であることが多いのですが、病巣が大きくなるとそれぞれの場所で次のような症状が現れます。

転移・再発した場所 主な症状
咳、血痰、息切れ、胸痛
縦隔・肺門のリンパ節 上半身のむくみ、声のかれ(嗄声:させい)
鎖骨上のリンパ節 圧迫感や痛み、顔・腕のむくみ、腕のしびれ
けいれん、体のふらつき、手足の麻痺、頭痛
痛み、骨折
肝臓 腹部の張り、痛み、黄疸
副腎 腰痛、倦怠感

特定非営利活動法人 西日本がん研究機構(WJOG)「患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A」(金原出版)、p133より作成

●脳転移予防 8)

小細胞肺がんでは、脳に転移する頻度が高いことが問題となっています。
もともと脳には異物の侵入を防ぐバリアーが備わっているため、抗悪性腫瘍薬が脳に到達しにくく、効果が期待できる薬剤は少ないのが現状です。そこで、限局型の小細胞肺がんの場合、治療によってがんがほぼ消失したことが確認されたら、脳転移を予防するために脳全体への放射線照射(予防的全脳照射)が標準的に行われています。

8)国立がん研究センター中央病院呼吸器内科「最先端治療 肺がん」(法研)、p55