子宮の構造と子宮頸がん

子宮の構造1)

子宮は全体として、西洋梨を逆さにしたような形をしています。胎児が宿る子宮体部(しきゅうたいぶ)は、球形に近い部分にあたります。子宮頸部(しきゅうけいぶ)はそこから下に向かって続く細長い部分で、その先端は腟(ちつ)に突き出しています。子宮頸部は、腟側に顔を出している子宮腟部(しきゅうちつぶ)と、子宮腔(しきゅうくう)に向かった奥の頸管部(けいかんぶ)とに分かれます。

子宮頸がんとは1)

子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部にできるがんのことで、発生する部位によって2つのタイプがあります。腟側に顔を出している子宮腟部にできるタイプ、子宮腔に向かった奥の頸管部にできるタイプです。子宮腟部にできるタイプは子宮の入り口付近に発生するため、検査を受ければ発見されやすいがんといえますが、頸管部にできるタイプは隠れた部分のがんなので早期発見が難しいことが少なくありません。初期であれば比較的治療しやすく、予後もよいとされます。ただし、進行すると治療が難しくなるため、早めに見つけることがとても重要です。

  1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 治療ガイドライン第2版. 金原出版, p18-19, 2016.

子宮頸がんの種類と広がりかた2)

子宮頸がんは、がん化した細胞によって大きく2種類に分かれます。扁平上皮(へんぺいじょうひ)細胞に発生する「扁平上皮がん」、円柱上皮(えんちゅうじょうひ)細胞に発生する「腺(せん)がん」です。腺がんは最近増えてきたがんで、扁平上皮がんに比べて治療が難しいとされています。
上皮の中にとどまっているがんは進行すると、基底膜(きていまく)を破り、さらに下の間質(かんしつ)に入り込んでいく「浸潤(しんじゅん)がん」となります。また、がんが大きくなれば子宮頸部から周囲の組織、膀胱(ぼうこう)、直腸(ちょくちょう)などに浸潤し、肺など遠いところにある臓器に転移することがあります。

子宮頸がんの発生原因2)

子宮頸がんの発生の多くに関連しているのが、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)です。HPVは多くは性交渉で感染するウイルスで、海外の報告では80%以上の女性が50歳までに一度は感染するといわれます3)。HPVに感染しても、症状が出ないうちにウイルスが自然に排除されることもありますが、長い期間感染したままだと子宮頸がんが発生する可能性が出てきます。喫煙も子宮頸がんの発生を高める要因といわれています。

HPVには複数の型がありますが、一部の型のHPV感染を予防できるワクチンが使用可能になっています。たとえ、ワクチン接種を受けた場合であっても、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です4)

  1. 日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん 子宮体がん 卵巣がん 治療ガイドライン第2版. 金原出版, p19-23, 2016.
  2. Markowitz LE et al. MMWR Recomm Rep. 2007;56:1-24(PMID:17380109)
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「卵巣がん 基礎知識」(2019年1月時点)