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検査・診断

診断のながれ


咳や血痰(血の混じった痰)などの症状や検診で肺がんが疑われるときには、胸部X線検査や喀痰細胞診、胸部CT検査を行い、肺にがんと疑われるものが存在するか、またどこにあるかを診断します(存在診断)。また、胸部CTや気管支内視鏡などの検査で肺がんと別の疾患との鑑別を行います(鑑別診断)。
肺がんかどうかを確定するには画像検査だけでなく、肺がんを疑う病巣の一部の組織や細胞を採り(生検)、顕微鏡で確かめる必要があります(確定診断)。そして、肺がんの確定診断後はさらに詳しく検査し、病期(進行の程度、ステージ)を診断します。病期の診断は治療方針の決定に活用します。
最近、肺がんでは遺伝子変異の種類によって分子標的治療が奏効することが知られていることから、遺伝子診断(バイオマーカー検査)も必要です。免疫組織染色で遺伝子産物を検出することにより免疫療法の対象患者を同定することもあります。

西條長宏、加藤治文 編「インフォームドコンセントのための図説シリーズ 肺がん 改訂4版」(医薬ジャーナル社)、p46より改変

検査の内容


存在診断・鑑別診断で行われる検査

胸部X線検査
肺にがんを疑う影があるかどうかを調べる。集団検診などで行う胸部X線検査よりも、さらに精度の高い撮影方法が用いられる。

喀痰細胞診
痰を採取し、がん組織からはがれ落ちたがん細胞が混ざっていないかを顕微鏡で調べる。喀痰細胞診はX線検査と組み合わせて行う。

胸部CT検査
X線を使って体の内部(横断面)を描き出すことで、がんの大きさ、性質、周囲の臓器への拡がりなど、胸部単純X線撮影よりも多くの情報が得られる。

気管支鏡検査
気管支内視鏡を鼻または口から挿入し、気管支内部やその周辺をモニターに映し観察する。また、がんが疑われる部位から、組織や細胞を採取する(生検)ことができる。検査による喉や気管の痛みを軽減するため、口腔の奥まで局所麻酔をする。通常、外来で行われる。

FDG-PET(陽電子断層撮影法)検査
放射性フッ素を含む薬剤(FDG)を静脈内注射し、取り込みの分布を映像化することで原発巣や遠隔転移の有無を調べる。

胸部MRI検査
磁気を利用して胸部の断層撮影をする。

バイオマーカー検査(遺伝子診断)
遺伝子変異・増幅や遺伝子産物の発現の有無は治療選択に大きな影響を与える。生検で得られた組織や血液(リキッドバイオプシー)を用いて調べる。

腫瘍マーカー検査
腫瘍マーカーはがん細胞が産生する特有の物質のうち、主に血液中で測定可能なもので、がんの性質や拡がりの目安を示す。ただし異常値だけでがんの有無は判断できない。肺がんでは、血液や胸水を用いて検査する。

確定診断で行われる検査

経皮的肺生検
喀痰細胞診や気管支鏡検査が難しい場合や、行ったけれども診断がつかない場合などに、X線透視や超音波あるいはCTで確認しながら、皮膚の上から細い針を肺に刺して組織を採り、病理検査を行う。入院が必要。

胸腔鏡検査、縦隔鏡検査、開胸肺生検
・胸腔鏡検査
胸の皮膚を切開し、肋骨の間から胸腔鏡と呼ばれる内視鏡を肺の外側(胸腔)に挿入し、肺や胸膜あるいはリンパ節の一部の組織を採取する。
・縦隔鏡検査
胸骨の上のくぼみの皮膚を切開し、縦隔鏡と呼ばれる筒状の器具を挿入し、リンパ節や近くの組織を採取する。
・開胸肺生検
手術で胸を開き(開胸)、肺や胸膜、リンパ節の一部の組織を採取する。
※胸腔鏡検査の一部以外、いずれも全身麻酔で行う。どの検査も入院が必要。

胸水の検査
胸に水がたまっている場合には、肺の外にたまった水を抜いてがん細胞の有無を調べる検査(胸水穿刺細胞診)を行う。

病期診断で行われる検査

頭・胸腹部CTおよび 超音波(エコー)検査
頭・胸腹部の状態や転移の有無などを調べる。

FDG-PET(陽電子断層撮影法)検査
放射性フッ素を含む薬剤を静脈内注射し、取り込みの分布を映像化することで全身の転移の有無を調べる。

脳のMRI検査
磁気を利用して脳の断層撮影をし、脳転移の有無を調べる。

骨シンチグラフィー
放射性物質(アイソトープ)を静脈内注射し、骨への取り込みの分布から骨転移の有無を調べる。



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