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子宮頸がん




よりよい日常生活のために




仕事の工夫


■子宮頸がんと就労

子宮頸がんは、結婚や妊娠・出産、育児などのライフイベントを控えた時期である、30歳代から40歳代での発症が多いがんです1)。この時期は、働く女性にとって仕事を覚えて責任のある役割を担っていく、働き盛りの時期とも重なります。

子宮頸がんをはじめとした婦人科がんは、早期に発見して適切な治療を受ければ完治も可能な場合が多く、治療で仕事を休むことはあっても、離職せずに仕事を続けていくことも十分可能です。仕事をもつ婦人科がん(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)の患者さんで、治療後も同じ勤務先へ復職(就業継続)できていた割合はおよそ7割であり、転職した方を含めると、仕事へ復帰できた患者さんは8割を超えたという調査結果もあります2)。ただし、仕事へ復帰できた場合も、子宮頸がんの患者さんは、就労時間の調整、部署異動、退職や転職など、就業になんらかの変化3)を伴うかもしれません。体調の変化などに応じて、無理なく柔軟に仕事を続けることを心がけるとよいでしょう。


■診断から休職までのチェックポイント

労働条件や就業規則を確認しましょう

病気で利用できる休職制度や休暇制度はあるか、その条件や期間、休職中の給与の有無などは勤務先によって異なります。就業規則の「休職/欠勤」などを、あらためて確認しておきましょう。がんで職場の配慮を求めるときにも、最終的には就業規則に基づいて働き方が決められますので、自分の労働条件も確認してみましょう。


勤務先に伝えましょう

利用可能な社内制度、有給休暇や欠勤の取り扱い、休職・復職などのプロセスについて、人事担当者に確認しておきましょう。派遣社員の方は、まず派遣元の担当者に相談します。検査や治療、体調不良で仕事を休むことや、配慮をお願いすることも増えるため、直属の上司には病気のことを伝えておくとよいでしょう。

職場の同僚には、病名の公表が必要になるとは限りません。病名が思いもよらぬ相手に伝わって、気まずい思いをしたり、仕事がやりにくくなったりする可能性がある場合、人事担当者や上司と相談して、秘密が保持されるよう取り計らってもらうとよいでしょう。

一定以上の規模の企業には、産業医がいます。病気によって、就業上なんらかの配慮を会社に求めたい場合には、産業医に相談してもよいでしょう。


治療の見通しがついたら、休職と復職の計画を会社と話し合いましょう

治療計画や手術の日程が決まったら、いつから何日くらい休むか、具体的に話し合います。休職の手続きには、主治医の診断書が必要な場合があるため、早めに準備しておきましょう。有給休暇がどの程度残っているか確認し、休職の制度とともにどのように使うか、人事担当者と相談します。また、上司と業務の引継ぎについて話し合い、休職中の連絡の取り方も確認しておきます。


休職中には報告を欠かさないようにしましょう

検査結果や治療経過などによって、復職の見込みが変わる可能性があります。復職が遅れそうな状況が明らかになったら、早めに勤務先に報告するようにしましょう。

就業規則で定められた休職の期間が終わっても復職できない場合は、退職となってしまうことがあります。退職することになっても、公的医療保険の傷病手当金の支給期間が残っているときは、引き続き受給できる場合がありますので、手続き方法を確認しておきましょう。

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■復職に向けたチェックポイント4)

主治医と復職について相談しましょう

治療が終わり、体調や生活が落ち着いてきたら、復職への情報収集を始めます。まず、主治医と次の点を確認しましょう。

  • 仕事に対する自分の気持ち
  • 通院(外来化学療法や検査)のタイミング
  • 抗がん剤治療による副作用の症状や程度
  • 抗がん剤治療による副作用の仕事への影響
  • 復職に伴う病状悪化のリスク
  • リスクを避けるために注意すべきこと

復職に必要な診断書・意見書を準備する

復職にあたって、職場で配慮すべきこと、就業の可否などが記載された、主治医による診断書・意見書が必要となります。診断書・意見書を書いてもらうためには、主治医にご自身の仕事内容、勤務形態、通勤方法などの勤務情報を具体的に伝えておくことが大切です。診断書・意見書、勤務情報提供書の様式は、厚生労働省による「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」5)が参考になります。


意見書をもとに勤務先と無理のない働き方を話し合いましょう

復職後は、病気になる前と同じように働くのは、難しい場合がほとんどです。仕事に復帰したばかりで頑張りたい気持ちもあるでしょうが、無理をして体調を崩せば、かえって同僚や会社に迷惑をかけてしまうかもしれません。体力が落ちていることもあるため、少しずつ仕事量を増やすような配慮をしてもらえるとよいでしょう。排尿障害や排便障害がある方は、通勤途中や社内の使いやすいトイレを確認しておきましょう。脱毛による外見の変化が気になるときには、頭皮への刺激などを考慮した、さまざまなタイプの医療用ウィッグ(かつら)がありますので、検討してみましょう。


職場で理解を得るためのコミュニケーション

病名を言わなくても、病気療養中であることを伝えることができれば、体調が悪くなったときにも理解を得やすいでしょう。信頼できる上司や同僚の中で、ひとりでもよいので、あなたの理解者をつくりましょう。通院などで休んだとき、仕事をカバーしてもらったときなどには「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。


■転職・再就職など新たな働き方へのチェックポイント6)

面接では強みをアピールしましょう

キャリアブランクや退職理由について尋ねられたら、病気療養をしていたという状況は伝えますが、いきなり病名までいう必要はありません。病気を乗り越えたなど、プラスになったことをアピールしましょう。

採用する企業側は、病気に関わらず業務に支障をきたしそうなことは、事前に知っておきたいと考えます。また、企業は労働者の安全と健康に配慮する義務を負っていますので、配慮が必要かどうかという点を気にしています。体調が業務に何らかの支障をきたす可能性があり、企業側に配慮してほしいことがあるなら、面接時に具体的に伝えておいた方がよいでしょう。伝えたほうがよいことの例として、「持病があり、2ヵ月に1回、お休みをいただいて病院に行く必要があるのですが、可能でしょうか?」ということなどが挙げられます。

同様に、履歴書の既往歴についても、業務に支障がないか、配慮が必要かということを考慮して記すとよいでしょう。「現在は回復して、主治医より業務に支障なしとの診断を受けている」ということなどが、記入例として挙げられます。


  1. 国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)(2023年11月22日時点)
  2. Nakamura K et al. BMC Cancer 2016; 16: 558
  3. 飯島 美穂 他. 日本がん看護学会誌 2021; 35: 142-150
  4. 国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービス はたらく世代のがんの療養 がんと仕事のQ&A(2023年11月22日時点)
  5. 厚生労働省 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン: 令和5年3月改訂版
  6. HOPEプロジェクト+CSRプロジェクト 編. がん経験者のための就活ブック サバイバーズ・ハローワーク. 合同出版, p32-33, p69, p73-74, 2015.

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