食道がんとは


食道がんの特徴1-3)

食道がんは頸部(けいぶ)食道、胸部食道、腹部食道などに発生するといわれていますが、日本人では胸部食道が約90%を占め、頸部食道、腹部食道の割合は5~6%程度と報告されています1)

日本で1年間に10万人中18.2人が新たに食道がんと診断され2)、女性よりも男性に多い傾向がみられます。要因は主に喫煙と飲酒であり、50歳代から増加し70歳代にもっとも多く発生します。また、ほとんどの食道がんは食道の表面をおおう粘膜(扁平上皮[へんぺいじょうひ])から発生する、扁平上皮がんというタイプです。一方で欧米では胃酸の逆流が原因のひとつとされる腺(せん)がんが多くみられます。日本でも腺がんの割合が年々増加しており、食の欧米化が関係していると考えられます。

日本における食道がんの現況

性別
男女比 約5.5:1
年齢
60~70歳代が全体の年齢層の約74%
発生部位
胸部食道:約90%
腹部食道:約6%
頸部食道:約5%
組織型
扁平上皮がん:約86%
腺がん:約5%

Watanabe M et al. Esophagus 2021; 18: 1-24

図

食道がんは内側の粘膜に発生し、その後、周囲の組織を破壊しながら縦方向(垂直方向)と横方向(水平方向)に浸潤(しんじゅん)していきます。粘膜層にとどまっているがんを早期食道がん、粘膜下層まで進んだものを表在性食道がん、固有筋層まで進んだものを進行がんといいます。

  1. Watanabe M et al. Esophagus 2021; 18: 1-24
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))
  3. 小澤壯治 他編. 臨床食道学, 南江堂, p15, 2015