乳がん
検査と診断
サブタイプ分類1, 2)
乳がんは、がん細胞の性質によって、薬の反応性や増殖する力の強さなどが異なります。
乳がん細胞を、性質を示す指標(ホルモン感受性・HER2過剰発現・がん細胞の増殖能力:Ki-67)によって5種類に分類したのがサブタイプ分類です。薬物療法は、サブタイプに応じて適切な治療が選択されます。
ルミナル型:
女性ホルモンに対する受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)をもつ「女性ホルモン受容体陽性乳がん」の大部分と一致する乳がんのこと
HER2陽性:
がんの増殖に重要な役割を果たしているHER2受容体が過剰に発現しているタイプの乳がんのこと
トリプルネガティブ:
2つの女性ホルモン受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)とHER2受容体を発現していない乳がんのこと
日本乳癌学会 編. 患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2023年版, 金原出版, p113-114, 2023.
日本乳癌学会 編. 乳癌診療ガイドライン ②疫学・診断編 2022年版, 金原出版, p313-314, 2022. を参考に作成
- 日本乳癌学会 編. 患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2023年版, 金原出版, p113-114, 2023.
- 日本乳癌学会 編. 乳癌診療ガイドライン ②疫学・診断編 2022年版, 金原出版, p313-314, 2022.
•トリプルネガティブ乳がん(TNBC)について
トリプルネガティブ乳がんとは、がん細胞に、ホルモン受容体である①エストロゲン受容体と②プロゲステロン受容体、そして③HER2(ハーツ―)タンパクの3つ(トリプル)がいずれも発現していないタイプの乳がんのことをいいます。
TNBCは、乳がん全体の約15%~20%を占めます1)。また、若い世代の乳がん患者では、TNBCの比率が比較的高いことが特徴です2)。
Shibuta K, et al. Breast Cancer. 2011; 18: 292-298. より作図
- Yao H, et al. Oncotarget. 2017;8:1913–1924.
- Shibuta K, et al. Breast Cancer. 2011; 18: 292-298.