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治療中、治療後の生活

リハビリテーション1)


食道がんでは、手術で食道や周りの臓器を切除することによって、以下のような症状があらわれ、日常生活に問題が出てくる場合があります。無理のない範囲で、入院中や退院後のリハビリテーションを行うことで生活がしやすくなります。

食べ物や飲み物がうまく飲み込めない

手術によって食道や胃の機能が失われてしまうと食べ物をうまく飲み込めずに、気管に水分や食べ物が入ってしまう誤嚥が起こりやすくなります。

リハビリテーションのポイント

・まずは食べ物を使わずに何度も唾を飲み込み、のどを動かす練習をします。

・続いてとろみのあるものやゼリー状の食べ物をつかって、実際に食べ物を飲み込む練習をします。

・飲み込むときの姿勢のちがいや、食べ物のかけらが残ってしまった場合の飲み込み方など、様々な場合の飲み込み方を練習していきましょう。

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呼吸がしづらい、うまく痰が出せない

手術後は胸やお腹の痛みなどで呼吸がしづらかったり、痰が出しにくいことがあります。

リハビリテーションのポイント

・呼吸訓練器を活用したり、腹式呼吸の練習などを、手術の前から行っておくとよいでしょう。

・腹筋を意識し、なるべく深い呼吸をします。お腹を膨らませるように息を吸い込み、腹筋を使って息を吐きます。

・口をすぼめて息を深く吸い込み、息を勢いよく吐き出すと、痰が出しやすくなります。

イラスト

声が出しにくい

手術で声帯を切除しない場合でも、声を出すための神経に影響を受け、声が出しにくくなることがあります。

リハビリテーションのポイント

・3~6ヵ月程度で自然に治ることも多いようですが、なかなか改善しない場合には、医師や看護師、言語聴覚士などに相談してみましょう。

・声帯を切除した場合は、食道発声法や電気発生法という声の出し方を練習するのもひとつです。

1.国立がん研究センターがん情報サービス「食道がん 治療」(更新・確認日:2023年9月27日)https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/treatment.html#anchor9

手術後の食事2)


食道がんの手術後は、痛みや飲み込みにくさから食事の量が減り、体重が減ってしまうことがあります。また、胃酸などが逆流する逆流性食道炎や、食べ物が小腸に速く届くことによって、動悸(どうき)やめまいなどの不快な症状があらわれるダンピング症候群が起こりやすくなります。手術後の食事では以下のポイントを参考にしながら、食事をしてみてください。

療養生活中の食事のポイント

・早食いと食べ過ぎをなるべく避けることが、ダンピング症候群を起こさないコツです。

・1回の食事量を少なくし、1日5~6回に小分けして食事をとってみましょう。

・ひと口の量を少なくして、ゆっくりよくかんで(ひと口20~30回程度)食べるようにしましょう。

・食事中は、背筋を伸ばして座るように意識しておきましょう。

・食事の後も少なくとも30分間は体を起こしておきましょう。

・胸焼けや、食後の腹痛、倦怠感(けんたいかん)などが続く場合には治療を行うことがあります。医師に相談しましょう。

・「食べなければ」と負担を感じるようであれば、食べたいものを食べたい時に食べましょう。無理をしなくても大丈夫です。

・焦らずに、自分に合う食べ方を工夫して見つけていきましょう。

2.国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん 療養」(更新・確認日:2023年9月27日)https://ganjoho.jp/public/cancer/esophagus/follow_up.html#a_dairylife_drugtherapy

退院後の通院3)


退院後や治療後には定期的な経過観察を行います。全身の状態を確認して、後遺症や日常生活で困っている症状などを確認するためです。また、食道でのがんの再発や他の臓器への転移、重複(ちょうふく)がんなどを早期発見するためにも、定期的な受診や検査はとても大切です。

定期検診では問診や触診をはじめ、血液検査、内視鏡検査、超音波検査、CT検査などを行います。診察や検査の頻度は行った治療によって異なります。再発や重複がんは2~3年以内に発症することが多いといわれていますが、その後に起こることもあります。定期検診は欠かさず受けるようにしましょう。

もし日常生活で以下のような症状があらわれた場合には、早めに医師に伝えるようにしましょう。

気がついたらすぐに受診すべき症状

・首のはれ

・声のかすれ

・痛み

・呼吸がしづらい

・血の混ざった痰

・骨や関節の痛み

・お腹の腫れ

・胸の痛み、咳

・背中や腰の重い痛み

3.国立がん研究センターがん対策情報センター. がんの冊子 各種がんシリーズ102 食道がん, p25, 2023

がん治療費と仕事


がん治療費が高額になると、経済的負担が大きくなります。1ヵ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合、高額療養費制度によって超えた金額が支給されます。

詳しくは以下のページをご覧ください。

高額療養費制度とは?>
支給を受けるには? >

現在はがんと診断されても仕事を続けている方が、たくさんいらっしゃいます。がんと診断され、仕事の続け方や、復職後の働き方などで悩んでいる場合は以下のページをご覧ください。

仕事との向き合い方 >

心配事があるとき


医師や専門家に相談

がんと診断され、治療を行う場合、様々な不安や疑問が生じてくると思います。これらの不安や疑問を抱えたままにすると、精神的ストレスとなる場合があります。不安や疑問があったら、担当の医師に相談してみましょう。医師に相談しにくい場合は看護師や、病院に設置されている「がん相談支援センター」などに相談することもできます。

「がん相談支援センター」とは?

「がん相談支援センター」は、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている相談窓口です。患者さん本人やご家族、その病院に通院していなくても無料でご利用いただけます。

セカンドオピニオンの活用

がんの診断や治療選択について、診療を受けている担当の医師とは別に、別の医師の意見を聞くことができます(セカンドオピニオン)。セカンドオピニオンを受ける場合は、担当の医師やがん相談支援センターにご相談ください。

監修:廣中 秀一 先生
杏林大学医学部 腫瘍内科学 教授


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