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検査・診断

メラノーマの診断のために必要な検査


メラノーマの診察では、まず医師が肉眼で観察します(参照:ABCDEルール)。写真を撮っておくことが必須です。次に、ダーモスコピー検査で病変部を拡大して観察します。病変部を切り取って顕微鏡で調べる皮膚生検(病理検査)は診断の確定や治療方針を決定するために行われます。

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ダーモスコピー検査

「ダーモスコープ」という拡大鏡を使って行います。偏光レンズを通して病変部を拡大して観察することができます。まったく痛みを伴わない簡単な検査であり、メラニンが作る模様や血管の状態を詳しく観察することができます。

ダーモスコピー

ダーモスコープ(拡大鏡)

皮膚生検(病理検査)

病変の一部または全部を切り取り、それをもとに病理標本を作製して顕微鏡で観察する検査です。

顕微鏡検査(病理)

メラノーマの診断後に行う検査


メラノーマと診断されたら、転移の有無を調べるために、画像検査が行われます。その他、手術前の準備のために血液検査や尿検査、胸部X線、心電図検査などを行います。

画像検査

がんの進行度(リンパ節や内臓に転移していないかどうか)を調べる目的で、CT、MRI、超音波(エコー)、PETなどの画像検査が行われます。

超音波検査

PET/CT検査

MRI検査


一般検査(血液・尿検査など)、胸部X線、心電図検査など

麻酔をかけられるかどうかを調べるために、胸部X線、貧血、肝機能、腎機能、電解質異常、心肺機能などを調べます。

センチネルリンパ節生検

「センチネルリンパ節」とは、がん細胞が最初に転移するリンパ節のことです。

がん細胞のかたまりが数mm以上ないとCTやPETでは発見できません。そこで、がん細胞が最初に流れ込むであろうリンパ節(センチネルリンパ節:見張りリンパ節)を探して、そのリンパ節を切除して細くスライスし、顕微鏡で観察します。画像検査では見つけられない小さい転移を見つける目的で行うこの検査を“センチネルリンパ節生検”といいます。もし転移が見つかれば、後日その周囲のリンパ節の切除を検討します(リンパ節郭清といいます)。

メラノーマと診断されたら


メラノーマの診断後は、個々の患者さんの状態、主治医をはじめとする医療スタッフの考えや方針(治療に関する国内外のガイドラインの推奨など)、患者さんご本人やご家族の意向・要望、セカンドオピニオンなどの情報をもとに、治療についての検討がなされます。そして、インフォームドコンセント(説明と同意)を患者さん・ご家族から得た上で、最終的な治療方針が決定されます。なお、この時の決定事項はいつでも撤回できます。

治療や今後の生活について、不明な点、心配なことがあったら、同意後であっても主治医や医療スタッフに相談してみましょう。

監修:宇原 久 先生
札幌医科大学医学部皮膚科学講座 教授


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