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検査・診断

診断までの流れ


腎細胞がんを疑う症状や、無症状でも健康診断などの画像検査で腎臓に異常がみられた場合、診察や検査により腎細胞がんかどうかを診断します。
腎細胞がんの診断は通常、腹部CT検査により行います。

腎細胞がんと診断されたら、がんの広がりを調べる検査を行い、病期(がんの進行度)を判定します。

腎細胞がんの診断の流れ

腎細胞がんの診断の流れ

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検査の内容


腎細胞がんが疑われる場合、診察時に問診や視触診を行い、症状や全身の状態を調べます。
さらに、血液検査、尿検査、画像検査の結果とあわせて検討し、診断を行います。

血液検査

腎臓や肝臓の機能を含め全身の状態を確認します。腎細胞がんでは、CRP(※1)、LDH(※2)などの値が高い場合、進行のリスクが高まるといわれています。

血液検査

※1 CRP(C反応性たんぱく)
炎症や細胞が壊れると血液中で増えるたんぱく質。感染症やがんなどで値が高くなる。

※2 LDH(乳酸脱水素酵素)
細胞が壊れると血液中に流れ出てくるたんぱく質。がんなどさまざまな病気でLDHの値が高くなる。

尿検査

血尿がないかを調べます。また、腎臓の機能に異常がないかを判断するために、尿蛋白なども調べます。

画像検査

腎細胞がんの画像検査として、がんを見つける検査、がんを確定診断する検査、がんの広がりを調べる検査があります。

がんを見つける画像検査(スクリーニング検査)

健康診断などで行われる腹部の超音波検査は、腎細胞がんを疑う異常を早い段階で発見できます。

がんを見つける画像検査(スクリーニング検査)

がんを確定診断する画像検査

確定診断に際して、造影剤を使った腹部CT検査を行います。造影剤が使えない場合、MRI検査を行うことがあります。

がんを確定診断する画像検査

がんの広がりを調べる画像検査

胸部CT検査、骨シンチグラフィー、PET検査などにより、他の臓器やリンパ節に転移がないかを調べます。

がんの広がりを調べる画像検査

腎細胞がんの主な画像検査

超音波検査
超音波を利用して体の内部を観察する検査です。
腎細胞がんの早期発見に有用で、がんを疑う異常がないか調べます。

CT検査
X線を利用して体の内部を撮影する検査です。
腎細胞がんの診断において、造影剤を用いた腹部CT検査は欠かせません。がん細胞の悪性度や種類(組織型)、腎臓と周りの組織や臓器へのがんの広がりを調べることもできます。
胸部CT検査では、肺への転移がないかを調べます。

MRI検査
磁気を利用して体の内部を撮影する検査です。
腎機能低下やアレルギーにより造影剤を使用できない場合、腹部CT検査のかわりに行われます。

骨シンチグラフィー
放射性物質を含む薬剤を注射し、骨に取り込まれた薬剤の分布から骨転移の有無を調べます。
骨の痛みや血液検査の異常など、骨への転移を疑う場合に実施します。

PET検査
放射性物質を含む薬剤(FDG)を注射し、取り込まれた薬剤の分布を画像化することにより、がんの有無を調べます。
遠隔転移(※3)、経過観察中の再発(※4)を見つけるために用いられることがあります。

※3 遠隔転移(えんかくてんい)
がん細胞が血液やリンパ液の流れにのって、他の臓器に移動して、そこでがんが増殖すること。

※4 再発(さいはつ)
手術で切除しきれなかったがんが増殖したり、薬物療法で小さくなったがんが再び大きくなったり、他の場所に転移したりすること。

腎生検(病理検査)

腎細胞がんは他のがんと異なり、生検(※5)による病理検査(※6)を行わなくても、造影CT検査によって確定診断ができます。しかし、造影剤が使えない場合や診断が難しい場合などに腎生検を行うことがあります。

腎生検では、超音波検査やCT検査の画像を確認しながら、腎臓に針を刺して組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無や種類(組織型)を調べます(病理検査)。

※5 生検(せいけん)
針などの器具を用いて、組織の一部を採取する検査。

※6 病理検査(びょうりけんさ)
手術や生検で採取した組織や細胞を顕微鏡で観察し、がんかどうかや、がん細胞の性質(悪性度、組織型)などを調べる検査。

監修:篠原 信雄 先生
北海道大学大学院医学研究院 腎泌尿器外科学教室 教授


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