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検査・診断

がん診断までの流れ1)


肝細胞がんは他のがんと比べリスク因子がはっきりしているため、B型・C型肝炎や肝硬変を発症しているなど肝細胞がんになる可能性が高い患者さんに対して定期的な検査が行われます。

リスク因子の程度(病態や重症度)に応じて3~6ヵ月間隔で腹部超音波検査(エコー)を中心とした検査(スクリーニング)を繰り返します。また、並行して腫瘍マーカーを測定する血液検査も行い、肝硬変など高いリスク因子を持つ患者さんはCT検査、MRI検査などの画像検査も検討されます。

スクリーニングで腫瘍が見つかった場合、CT検査、MRI検査で精密検査を行い、肝細胞がんであるかどうか調べます。造影剤を注射しての超音波検査(造影超音波)やCT検査、MRI検査や腫瘍に針を刺して組織を採取し(腫瘍生検)、顕微鏡で観察する(病理組織診断)場合もあります。

1)日本肝臓学会 編. 肝癌診療ガイドライン2021年版 第5版. 金原出版, p24-71, 2021

検査の内容2-4)


肝細胞がんの検査

超音波検査(エコー)

エコーのイラスト

超音波を体の表面に当てて、臓器や組織から返ってくる反射波(エコー)を画像にして調べる検査で、がんの大きさや個数、がんと血管の位置、がんの広がり、肝臓の形や状態などがわかります。患者さんの負担が小さいのが特長ですが、皮下脂肪が厚い場合や、がんが見づらい場所にある場合は、十分な検査ができないことがあります。

CT検査 / MRI検査

CT検査・MRI検査のイラスト
  • CT検査
    体の周囲からX線を使って体の断面図を描き出す検査法で、治療前に、がんの性質や分布、転移や周囲の臓器への広がりを調べます。肝細胞がんを調べる場合は、造影剤を用いながら数回に分けて撮影します(ダイナミックCT)。
  • MRI検査
    MRI検査は、磁気を使った検査です。X線の被曝がなく、さまざまな方向から撮影ができます。必要に応じてCT検査と組み合わせて、あるいは単独で行います。MRI検査でも、造影剤を使用して数回に分けて撮影する(ダイナミックMRI)ことがあります。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカー検査のイラスト

採取した血液を調べて、がん細胞が出す物質を測定する検査です。腫瘍マーカーは、がんの種類に応じて多くの種類があります。
肝細胞がんで保険が適用される腫瘍マーカーは、AFP(アルファ・フェトプロテイン)やPIVKA-II(ピブカ・ツー)、AFP-L3分画(AFPレクチン分画)です。診断では、これらのうち2種類以上の腫瘍マーカーを測定することが推奨されています。


2)日本肝臓学会 編. 肝癌診療マニュアル 第4版. 医学書院, p47-87, 2020.
3)日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会 編. 臨床検査のガイドライン JSLM 2021 第1版. 宇宙堂八木書店, p334-339, 2021
4)国立がん研究センター がん情報サービス「肝臓がん(肝細胞がん) 検査」(2024年2月時点)

監修:金子 周一先生
金沢大学大学院 情報医学開発講座 特任教授


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