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治療後の生活

卵巣がんの予後1)


手術や化学療法によって卵巣がんが治っても、その後の再発が多く、再発した患者さんのうち約95%が4年以内に再発していることがわかっています1)。とくに化学療法後2年以内の再発が多く、その発見のためには、治療終了後も定期的に受診することが大切です。

一度も再発せずに5年以上経過した場合、再発は稀であるといわれています。

1.日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第2版. 金原出版, p189, 2016.

経過観察と検査2,3)


治療終了から2年以内は1~3ヵ月ごとの比較的短い間隔で通院し、検査を行います。その後は通院の間隔を延ばし、3~5年目は3~6ヵ月ごと、6年目以降は1年ごとに通院します。

検査の内容

  • 毎回行う検査(問診、内診)
  • 必要に応じて行われる検査(経腟超音波断層法検査、CT検査、腫瘍マーカー検査)

2.国立がん研究センター がん情報サービス「卵巣がん 療養」(2018年8月時点)
3.日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第2版. 金原出版, p189-191, 2016.

術後の症状4)


手術の後は、おなかが張る(膨満感)、便秘、むくみ(リンパ浮腫)などが起こることがあります。また、閉経の前に両側の卵巣を摘出すると「卵巣欠落症状」と呼ばれる、のぼせやほてり、発汗など、更年期障害のような症状がでることがあります。
「卵巣欠落症状」がある場合、ホルモン補充療法は有用な治療法の一つです。ホルモン補充療法は、卵巣の摘出に伴い低下したエストロゲン(女性ホルモン)を補う治療法で、飲み薬、貼り薬、塗り薬があり症状にあわせて使用します。
ホルモン補充療法による卵巣がんの再発の可能性については、これまでに大規模な研究が行われていないものの、再発のリスクが高くなったという報告はありません。

4.日本婦人科腫瘍学会 編. 患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第2版. 金原出版, p211-223, 2016.

臨床指導:木村 正 先生
大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室 教授


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