家族や友人とのコミュニケーション
大切なご家族や友人だからこそ伝えられることがある。でも「伝えない」という選択肢があってもいいんですよ。
いつ伝える?伝えない?
悩ましいのは、親しい人へ再発・転移したことを伝えるか、あるいは伝えないかということ。あなた自身が病気を受け止めるだけでも大変なのに、そのうえ、さらにご家族や親しい人達にどう伝えるかを考えること自体、難しいことです。
「何を伝えていきたいか」は、あなた自身が何を大事にしていきたいか、とあなたと相手とのこれまでの関係によるかもしれません。
「家族」と言ってもいろいろ
例えばご家族と一口に言っても、パートナーとお子さんや親とでは、対応は違ってくるかもしれません。一緒に住んでいるか、離れて暮らしているかによっても違うでしょう。
一緒に住んでいるご家族であれば、治療中のあなたの姿を日頃から目にすることになります。治療による副作用や体調などによっては、日常生活のなかで、家事などをふくめさまざまなかたちで手を借りたり、役割分担を見直したりする必要も出てくることがあるでしょう。あなたの病状や治療計画を共有し、一緒に考えていく、ということが大切になってくるかもしれません。
なかにはパートナーが「現実から目をそらしていて病状を理解してくれない」
「非協力的」と感じる方もいらっしゃることでしょう。「家族は第二の患者」と言われるように、パートナーのココロも大きく揺れ動き、つらい気持ちを必死でこらえている場合もあります。これから受ける治療の説明や検査結果を聞くとき、大切なことを決めるときには、ご家族や信頼できる友人などに診察に同行してもらいましょう。
一方、離れて住んでいるご家族であれば、伝えることの意味は、また違ってくることでしょう。「年老いた親に今さら病気のことを伝えたくない」と、伝えないという選択をする方は少なくありません。一方で、「自分だったら言ってもらえないことはつらいと思うので、伝える」という方もいます。
友人も同様です。その友人があなた自身にとってどういった存在か、ということによっても変わってきます。
正解はひとつではない
どれが正解、ということはないのです。決めるのは、あなた自身です。
いつまでに伝えないといけない、という問題でもありません。途中で方向を変えてもいいのです。ゆっくり考えていきましょう。