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肺がんとは

特徴


肺がんとは、肺の「気管」「気管支」「肺胞」のいずれかの組織に発生するがんです。

がん細胞のかたまりを「がん組織」といいますが、肺がんは組織型により、「腺がん」、「扁平上皮がん」、「大細胞がん」、「小細胞がん」の4つに分けられます。組織型が違うことにより、それぞれの広がり方や症状など、多彩な顔つきをみせるといわれています。
また、同じ組織型であっても遺伝子変異・増幅や遺伝子産物発現の有無などによって分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の効果がまったく異なることが知られています。

気管支:気管が左右に分かれてから先の部分
肺胞:何度も枝分かれした気管支の先にあるブドウの房のような小さな空間で、ガス交換が行われる

発生部位


肺がんは、太い気管支に発生する「肺門(はいもん)型(中心型)」と非常に細い気管支や肺胞の部分に発生する「肺(はい)野(や)型(末梢型)」の2つに分類されます。

肺門型(中心型)と肺野型(末梢型)

症状


肺がんの一般的な症状には、次のようなものがあります。

  • 長く続く咳
  • 痰に血が混じる
  • 胸が痛む
  • 呼吸時のぜーぜー音(喘鳴:ぜんめい)
  • 息が切れる
  • 声がかれる(嗄声:させい)
  • 発熱
  • 体重減少 など
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しかし、これらの症状は感染症などの他の病気のために起きている場合もあります。また、肺がんは進行の程度にかかわらず症状がほとんどないケースも多く、検診などがきっかけで発見されることが少なくありません。またがんが進行して他の部位に転移すると、転移先の部位に特有の症状が見られる場合もあります。

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原因


肺がんの原因として、喫煙に代表されるいくつかの因子との関連性が知られています。

喫煙との関連1)

喫煙は、肺がんの原因として最も重要視されています。
国立がん研究センターによると、たばこを吸うと肺がんになるリスクが男性で4.4倍、女性で2.8倍2)に増加するという日本人を対象とした調査結果が報告されています。
また、たばこは吸っている本人だけでなく、周囲の方への影響も報告されています。
日本人の喫煙率は、男性32.2%、女性8.5%と低下しつつあり、たばこと関連しない肺がんの比率が高くなってきています 3)

環境要因1)

肺がんの発生に関連する環境要因としては、飲料水に含まれるヒ素のほか、アスベスト、シリカ、クロム、コールタール、放射線、ディーゼル排ガスなどの影響が報告されています。

1) 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス(2020年1月7日時点)
2) Wakai K et al. Jpn J Clin Oncol 2006; 36: 309-324
3) 平成26年(2014)国民健康・栄養調査(厚生労働省)

患者数


国立がん研究センターが公表した2019年の予測によると、肺がんの罹患数(新たにがんと診断される人の数)は約12万2千人でした 4)

【がん罹患数予測(2019年)】

がん罹患数予測(2019年)

2019年のがん罹患数予測は約101万7千200例(男性57万2千600例、女性44万4千600例)。
2018年のがん統計予測(約101万3千600例)と比較すると、男女計で約3千600例増加。
2018年のがん統計予測(大腸、胃、肺、女性乳房、前立腺)から順位の変更はなかった。

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国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(2020年1月7日時点)

また、人口動態統計によると、2017年にがんで死亡した人の数は約37万人で、男性が女性の約1.5倍でした。部位別の死亡数は、男性では肺がんが最も多く、がん死亡全体の24.0%を占め、女性では大腸がん(15.3%)に次いで肺がん(13.8%)が多いことが報告されています 5)

*大腸がんは結腸がんと直腸がんの合計

【部位別がん死亡数(2017年)】

部位別がん死亡数(2019年)

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公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計<2018年版>」部位別がん死亡数(2017年)

4) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(2020年1月7日時点)
5) 平成29年(2017)人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部編)

早期発見のための検診


肺がんは、統計上死亡数の高いがんとされていますが、早期に発見することで、がんを完全に取り除き根治できる可能性もあります。肺がんは特有の症状などがないことも多く、早期に発見するためには、症状がなくても定期的に胸部X線検査などの検診を受診することが大切です。なかでも、喫煙歴のある40歳以上の人は肺がんの発生リスクが高いため、特に注意が必要です。



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